① 知識偏重ではなく、心情に寄り添う職員教育の実施
虐待研修においては、虐待の分類や人権についての知識教育を中心に行ってきましたが、「相手の気持ちを思いやる心」を育む職員教育の必要性を感じています。「自分は!」の前にまず「相手はどう感じているのだろうか?」という、当たり前の気持ちを持つことで、相手に寄り添い、相手を大切にする心を育てていきたいと考えます。私たちは福祉人です。その根底にあるのは他者への敬意と、それを守りたいと思う人としての優しさがあります。
② 相談しやすいチーム体質へ
虐待に共通する中に、ストレスや感情のコントロールが出来なかったとの声が聞かれます。誰もしたくて虐待をすることはありません。プライベートで辛いことがあったり、様々な不安やストレスから正常な判断が出来ないことで、普段なら冷静に対応できることが出来ずに不適切な行為をしてしまうことがあります。だからこそ、不安や不調を気軽に相談できる、また助け合えるチーム作りが重要だと考えます。
③ 他者を意識することで気の緩みを防ぐ
不適切な行為に至る前段階で、「つい・・・」という気の緩みがあります。普段は〇〇さんと呼んでいるのに、つい「〇〇ちゃん」と呼んでしまったとか、思わずついキツい口調で注意してしまったとか、「つい~してしまった」は段々と心のハードルが下がり、気が付けば「つい」が「いつも」に変わってしまっていることがあります。
私たちは良い緊張感を保つためにも、開設後から一貫して面会制限を行っていません。時間内であれば自由にご家族が訪問でき、また滞在時間も気にしなくても大丈夫です。また5月下旬からアテンドワーカーを導入します。介護士とは異なる立場で入居者に関わって頂くことで、万が一、不適切な言動を見聞きした場合に早期対応が図れます。もちろん介護士一人一人を信じていますが、過信は盲目だとも考えています。相互に甘えないためにも適切な環境作りに取り組んでいきます。